嫁いだつもりはありません!めりこの婚活・結婚備忘録

2020年12月

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名字を変えたくない私には、“事実婚”という選択肢もありました。

外国では、事実婚と法律婚が同じくらいの割合のところもあると聞いたことがあります。

しかし、日本では、結婚といえば法律婚(入籍する)が一般的です。
私の周りにも、事実婚のカップルは1組もいません。

皆、結婚するといったら、入籍しています。

同棲している知人もいますが、それはただの同棲です。
交際の延長だったり、法律婚を見据えていたりで同棲しているのであって、法律婚を避けて事実婚状態にあるわけではないのです。


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息子が名字を変えることを微塵も考えていないであろう夫の両親に、「桝田を名乗りたい。」と相談することも考えました。

でも、できませんでした。
桝田を名乗ることが許されるか否かは別として、そんな相談をしたら、
おそらく私は、夫の結婚相手として、夫側の家族から歓迎されなくなるでしょう。

自己主張の強い、フェミニスト的な、扱いづらい変わり者だと思われたに違いないのです。

これから一生付き合いがあるだろう夫の家族との間に、結婚前から波風を立てるのは、どうしても避けたいことでした。
 
一般的には女性が男性の名字を名乗るもの。

私は、自分の気持ちに一般論を振りかざし、みんな夫の名字を名乗っているんだから私もそうするべきだ、と無理やり考えることによって、桝田姓を諦め、結婚が円滑に進む道を選んだのでした。


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私が名字を変えたくなくても、夫が私の名字にしてもいいと言ってくれても、
私が名字を変えなければならないと思う理由は、
名字が、2人だけの問題ではなく、親や一家の問題であるからです。

もし、桝田を名乗ることにしたとしたら、双方の親は、特に夫の親はどう思うでしょうか?

少なくとも、「そうかそうか!枡田になるんだな!良かったな!」とはならないでしょう。
理解のある親であったとしても、最初は戸惑い、難色を示すと思います。

だって、一般的には、女性が男性の名字を名乗る世の中なんですもの。

親の立場から考えると、
娘が結婚するとなったら、名字が変わるのはある程度予想がついているので、なんの驚きも戸惑いもないでしょう。
娘の場合は、名付けの時点から将来名字が変わることを考え、名字との相性を重視しない方もいると聞いたことがあります。

しかし、息子については違います。
親は、息子の名字が変わる可能性については、ほとんど考えていません。
息子は、お嫁さんをもらって(=妻側が夫の名字を名乗る)一家を継いでいく存在なのです。


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「じゃあ、俺が(名字を)変えようか?」

夫は、どのくらいの覚悟でこう言ったのでしょう?

夫の性格からして、見せ財布(奢られる前提で一応財布を見せる)のような、自分が名字を変えない前提で一応変える気があるふうに言ってみる、ということはないと思います。

 口数が少ない方なので、ペラペラと本意でもないことを話せる人ではありません。

だからおそらく、私が鈴木になることを頑なに拒否したら夫は桝田になってくれたのだと思います。

けれど私は、現実的に考えて、それは無理だと感じていました。



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夫に、“一般的には女性が男性の名字を名乗るものだから、我々も同様である”というようなことを言われた私は、この後の食事で夫と会話することができませんでした。

許せなかったんです。
二人でどちらの名字にするか建設的な話をした上で、鈴木になるなら分かります。
だけど夫は違った。
“一般的”という理由で、私に名字を変えることを強制し、私のアイデンティティが失われることを軽んじていたのです。

理解できませんでした。また、理解したいとも思いませんでした。

食事を終えて車に戻ると、夫は、食事中に話さなかった私の異変に気付いたようで「どうしたの?」と聞いてきました。

あまり長く不穏な空気を漂わせるのは良くないと思い、私は、法律上はどちらの名字にしてもいいのに、なぜ一般的という理由で私が鈴木にしないといけないか分からないことを伝えました。

すると夫は言ったのです。

「じゃあ、俺が変えようか?」


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